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血管は内皮細胞と壁細胞の2層で出来た管状の臓器で、身体中の隅々まで行き渡り、その全長は10kmにも達します。

血管という名のとおり、血液の通り道で、血流に乗せて各臓器に「栄養」や「酸素」を運び(動脈)、反対に臓器からは二酸化炭素や老廃物を運び出す(静脈)、

生命の維持には不可欠な臓器です。

 

血管に障害が起こると様々な影響が現れます。

組織の中に老廃物や二酸化炭素がたまってしまい、組織の「壊死」を引き起こすのです。

これが脳の中で起これば「脳内出血」。

心臓を動かす筋肉、心筋にエネルギーをおくる血管が詰まれば「心筋梗塞」。

と、なるのです。

 

現在行われている再生医療的な血管の治療法には2つのアプローチがあるそうです。

①人工材料と患者由来の細胞をあわせた工芸的な手法。

②患者の体内に存在している「血管内皮前駆細胞」、「サイトカイン(血管をあらたにつくる作用)」を利用して血管を誘導する。

従来、人工材料を用いた血管にはポリエステルやゴアテックス製のものがありました。

しかし、人工物であるため、時間が経つと再びつまったり、継ぎ目がせまくなったりする問題があり、再移植が必要でした。

 

そこで、現在実験が行われているのは、人工材料に「コラーゲンというタンパク質」をコーティングする方法です。

コラーゲンには細胞と細胞同士を結びつける働きがあります。このコーティングにより人工血管内に健康な血管の内皮細胞が増殖しやすくなり、

自然な血管に近づけることができるのです。いわば現在行われている治療法をさらに進化させたものといえるでしょう。

 

一方、「血管内皮前駆細胞」を用いた細胞は、全く新しい概念から導き出されたものです。

従来、血管は発生期にネットワークをつくるとき以外は、もともと存在する血管が外側からシグナルを受け、植物が発芽するように血管が伸びて、シグナルの方向へ向かって

成長していくと考えられておりました。

しかし、

1997年、当時アメリカで研究をしていた浅原孝之が、

血流中に存在する細胞が標的部位にとりつき、「増殖」「分化」して新たな血管をつくりだすている現象を確認しました。

つまり、

成体内においても血管内皮を作る能力もった細胞が存在していたのです。

これを「毛館内費前駆細胞」と名づけました。

血管内皮前駆細胞の存在については否定的な意見もあるようです。

しかし、

現在、多くの病院で足や心筋の血管がつまり、血行不全を起こした場所に骨髄細胞を投与することで、血管をつくりだし、

血流を改善しようという試みが行われているようです。

 

資料より抜粋~

PS

この資料と「黒柳教授の論文」とは別のものですが、リンクするのと「論文の結果」が素晴らしいことに共感いただけたら嬉しくおもいます。