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ボーンコレクター

骨移植の歴史は古く、1668年にオランダのメークレンが行ったのが最初とされています。

彼は戦争で損傷を受けた戦士の頭の骨に、犬の頭蓋骨からとった骨を移植しました。

しかし、移植を受けた戦士は、当時のキリスト教的な倫理観からはずれたこの移植を嫌がり、メークレンに移植した骨を

骨を外して欲しいと頼み込んだところ、すでに移植された骨は取り込まれており切除不能だったということです。

 

19世紀前半にはいると自家骨移植が盛んとなり、20世紀には他家同種間骨移植も行われるようになりました。

(自分の骨のうち不必要な部分の骨を削り取り移植する)

しかし、自家骨の場合は大きな損傷への対処ができませんし、他者からの移植は「拒絶反応」などにより、

移植した骨がくっついてくれないという問題がありました。ですから、17世紀に犬からの移植が成功したのは、奇跡的といえるでしょう。

 

そこで登場したのが「人工骨」でした。最初はステンレスなどでつくられていましたが、人工材料による器官は生体とフィットしにくく、様々な問題がありました。

 

現在研究開発が行われているのは、ハイドロキシアパタイトやセラミックスで足場を置き、その周囲で骨を結合させた「ハイブリット人工骨」です。

また、骨の欠損部分に足場を置き、その周囲で骨を形成させようという方法もあります。

 

どちらの方法も共通するのは、骨髄に存在する「間葉系幹細胞」利用していることです。骨髄細胞から間葉系幹細胞を取り出し、骨芽細胞に分化させてから生体に注入したり、

足場上で増殖させます。こうした骨の再生プロセスは、実は「新生児の骨再生プロセスに似ています」そのため、移植後の生体との親和性が高く、

自然な形で機能を回復させる事ができるのです。

臨床において一番の問題となるのは、注入した細胞による骨形成の遅さです。患者から細胞を取り出し、培養して体内に戻すという手順になるため数週間程度かかってしまいます。

こうした問題点を解決する為に、拒絶が起こらないように処理された他者の細胞を使う事も検討されています。

しかし」、長期間にわたって培養された細胞は、増殖する能力や分化する能力が低下することがわかっています。そのため、

分化する能力を維持したままで培養する方法の開発も行われています。~資料より抜粋

 

ps、生体になじませること・・・・「拒絶反応」は私達が勉強する皮膚も同じテーマを抱えておりました。

黒柳教授から産まれた人工真皮ゲシェンクは「アテロコラーゲン」の表示があります。

これは「テロ」が起きないイコール・・・拒絶反応のないコラーゲンの意味です。

改めて素晴らしいものにであえたことに感謝ですね~。